今回MinGWをすべて自分でビルドするにあたってのコンセプト
目標その1. ビルドに必要な開発補助ツール・ライブラリなども可能な限りソースからコンパイルする。現在の達成状況はこちら→mingw32編msys編
目標その2. 可能な限り最新版ソースを使用する。(svn、git利用も含む)
目標その3. UNIXからの移植がしやすいmingw-w64を使用。ただし32bitマシン上のネイティブ環境ですべてコンパイルすること。クロスコンパイル(Cygwinを含む)は無しの方向。

前回「podchecker」が無いため、強引にdos2unix のインストールを行いました。perl のコンパイルは一度だけ試してみて、自分には手に手に負えなそうだったので、後回しにしようという判断でした。しかし、configure スクリプトが動くようになった今、configure スクリプトがないgit / svn のソースをビルドするためには、autotools の他にperl が必要不可欠になり、いつまでも逃げていられないのが現実です。


3-16. perlのインストール
(リスト番号104)

url : http://www.perl.org/
release : 5.16.2
git : git://perl5.git.perl.org/perl.git

超メジャーなスクリプト言語。perl6 は互換性のない別物です。
Windows 用のperl をビルドするのは比較的簡単ですが、MSYS のパスを理解するようにmsys-gcc でビルドする必要があります。最新版をMSYS でビルドすると、日本語の文字コードに関するエラーが出ました。修正は可能っぽいのですが面倒なことになりそうなのでやめておきます。
ということで、いつものようにMinGW.org のソースをmsys-dvlpr でビルドします。

export MSYSTEM=MSYS
export PATH=/bin:$PATH

mkdir perl
cd perl

mingw-get source msys-perl

./msys-build-perl perl-5.8.8.tar.gz

途中でyes/no で答える必要がありましたが、すべてyes を選択。test もされるので結構時間がかかります。
出来上がったperl-*-bin.tar.lzma を解凍して、/new-msys にコピーして完了。


3-17. m4のインストール (リスト番号86)

url : http://www.gnu.org/software/m4/
release : 1.4.16
git : git://git.sv.gnu.org/m4

マクロプロセッサー。autotools にはperl 以外にこいつも必要です。
前述のとおり、autoconf に必要なのですが、mingw-gcc でビルドしたものは使い物にならず、最新版はmsys-gcc でもエラーが出ます。よって、またもやMinGW.org のソースをmsys-dvlpr でビルドします。

export MSYSTEM=MSYS
export PATH=/bin:$PATH

mkdir m4
cd m4

mingw-get source msys-m4

./msys-build-m4 m4-1.4.14.tar.xz

出来上がったm4-*-bin.tar.lzma を解凍して、/new-msys にコピーして完了。


以上でやっとconfigure スクリプトのないgit/svn のソースコードもコンパイルできるようになりました。
そこで、autotools をリビルドして、テストがてら今までのパッケージを全てリビルドしてみようと思います。
すると、まだ足りないものがありました。以下次回で。


目標達成率 = 88 / 115 (残り 27) mingw32編msys編
今回 +2